« ハイカロリーだけど、ドーナッツ! | メイン | 外食企業の中食参入 その3 »

学者も遠い食卓

「メディア・バイアス~あやしい健康情報とニセ科学」という新刊を上梓されたサイエンスライター、松永和紀さん は、大学の後輩。昨日は、その松永さんの話を、卒業した研究室のOB・OGから現役生が集まって聞く機会があった。
残留農薬のポジティブリスト制度施行以来、農業の現場で起っていること、消費者団体の意識、あるいは、行政の対応など、彼女独自の視点でもって、緻密な取材、調査からの展開は、小気味よい。何度か松永さんの話は聞いているが、昨日のように、研究者を相手に話すのを聞くのははじめて。

昨年あたりは、ポジティブリストといえば、殺気立っていた食品関係者が多かっただけに、出席者の反応は意外にのんびりで、ちょっと面食らってしまった。農薬関係の仕事に従事しているのでない限りは、関心ないのは当然なのだろう。

農業生産者と消費者との間には深い溝があると、松永さんは冒頭述べられていたが、さらには、加工メーカー、流通、あるいは、外食・中食といった企業との間にも溝があるのは、確か。この溝を埋めるには、互いのコミュニケーションが必要なんて、もっともらしいことを言っても解決にはならない。感情論でしか、相手を見てないからだ、と思う。

感情でなく、サイエンスを持ち込んで話をしたいところだけど、サイエンスって何だよ?という食品業界。サイエンスを説くべき学者は、遠い存在にあるし、学者からも、こちら側は、まだまだ遠い存在のだと、気付かされた連休初日だった。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://eatalk.net/cgi/mt/mt-tb.cgi/38

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

About

2007年04月29日 23:23に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「ハイカロリーだけど、ドーナッツ!」です。

次の投稿は「外食企業の中食参入 その3」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。